1. 概要
福島子ども健康プロジェクトは、社会学、公衆衛生学、環境学、看護学などの分野で仕事をしてきた研究者が協力して行う調査研究です。行政や企業とは独立した自主的な取り組みです。対象者は、避難区域外の福島県の9市町村にお住まいの2008年度出生児のお子さんとそのお母さん(保護者)です。福島原発事故後の子どもの生活環境の変化と心身の健康について記録し、どのような支援が求められるのかを明らかにします。それを広く社会に発信していきます。震災から間もなく3年になり、忘れられがちな原発事故後の福島の現状とお母さん(保護者)のお声を訴えていきたいと考えています。
2. 対象者
福島市、郡山市など中通りの9市町村にお住まいの2008年度出生児(2008年4月2日から2009年4月1日までのお生まれのお子さん)です。
3. 研究方法の特徴
毎年1月に実施される年1回のアンケート調査と調査協力者への聞き取り等から原発事故後の親子の生活と健康の変化と求められる支援を明らかにします。調査や聞き取り等を通じて伺った皆さんのお声やニーズを行政、マスメディア、学会に報告します。
4. 個人情報保護と情報の社会への発信
本プロジェクトでは、子育てをしておられる皆様に、生活や健康の現状や不安などをお教えいただきます。皆様ご自身やお子様の現状には、普段は家族や知人にも話さない個人的なこと、心の中のことも含まれていることでしょう。調査の中でお教えいただく皆様のお考えについては、その秘密を守ることを、最大限心がけます。
お送りいただく調査表は、匿名化して分析し、お一人お一人の個人情報が外にでることはありません。本調査は研究者が所属する大学の倫理審査を経て行われ、必要な分析が終了したら、個人情報は全て消去いたします。
個人情報の保護と秘密の保持は、調査を進める上での基本ですが、得られた貴重な結果は、可能な範囲で公開し、調査に協力してくださった皆様の状況がより改善される方向で、役立てて行きたいと思います。結果のどの部分をどのように、誰に向けて公開するか、このプロジェクトからのメッセージをどのように発信して行くかについては、研究者の中で十分に話し合い、また皆様のお考えもお聞きする中で、決めていくつもりです。